第7章 海賊で音楽家

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ギンッ!! 私はかろうじて彼の剣を弾く!! キュイッーン!!ギンッ!! トゥルルは連続で攻撃を仕掛けてくる。突きも振り下ろしも、横への薙ぎ払いも、全ての攻撃が速い!! 「くっ!」 凄い。まさかこんな人材が仲間になりたいと志願してくるとは? ゲームの王道を無視してはいないか? こんな適当な仲間集めで、やってくるのは普通ザコキャラだろう? そして有能なキャラや、レアなキャラは難しいイベントをクリアした時に得たいものだ。 ギンッ!!キュイッーン!! 私はトゥルルの攻撃を力強く弾いた後に、反撃する!! ギンッ!!キュイッーン!! うむっ。スピードとパワーのバランスが良い。 キンッ!! うぉっ!! とんでもない突きが来た。 私はそれをかろうじてかわす! 攻撃はどれもすばらしいが、特に突きが速いようだ!! トゥルルが一時、攻撃の手を休め、静かに剣を構えた。 どうやって相手をしようか? ……うーむ。 剣道などやったことは無いが、何せシャムシェイドのポイントが「100」なのだ。相手出来なくは無いだろう。 突きは攻撃の起こりから、相手の身体まで、最も最短距離を通る攻撃だ。 なので、攻撃の起こりに対して最も注意しなければいけない…… 私は心を落ち着けてトゥルルの攻撃を待つ。 「……」 「……」 私の待ちの構えに何かを感じ取ったのか……トゥルルも自分の一番得意な姿勢で構えて、私の様子を伺っている。 「……」 「……」 周りのギャラリーも固唾を飲んで見守りはじめた。 「……」 「……」
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