第7章 海賊で音楽家

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…… …… 空気が張り詰める。 …… …… ……ピクッ 来たっっ!! ヒョッンッッ!! トゥルルの渾身の突きだ!! トゥルルから放たれたサーベルを私は上から自身の剣で払う!! 力などいらない。 上から触る程度に抑えただけだ。その時に少し角度をつける。 トゥルルの突きはその軌道を、私の首から脇腹に変えた!! 私は少し身を捻り、そして前に踏み込む!! サーベルは私の脇腹をかすめるが、服を斬り裂いたのみで、皮膚に傷はつかない。 そして、シャムシェイドで峰打ちという手もあったが、しっかりと前に踏み込んだ私と、素晴らしい踏み込みで前に出てきたトゥルルとでは、両者の身体の位置が近かった。 私は片手をシャムシェイドから離し、手刀を作って、軽くトゥルルの額に面を放った。 トンッ! 勝負ありだ。 「……」 「……」 広場は静まり返る。 「……」 「……」 そして…… 「……す、すっ!!凄いぞ!カナエ!!」 「おおぉっー!!」 「うぉぉー!!カナエッ!!」 「カナエッ!!凄い!!」 「カナエッ!!」 広場に歓声が巻き起こる!! よほど剣の腕に自信があったのだろう、私に手刀で面を打たれたトゥルルは放心状態だった。 「素晴らしい剣の腕です。あなたにもぜひ仲間になって頂きます」 私はトゥルルの肩を叩き、にっこり微笑んだ。
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