第7章 海賊で音楽家

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本などを読むと、海賊の船上での食事の悲惨さがよく書かれている。 彼らは食料が無くなり、餓えるとネズミや虫、最後には靴など、食べ物では無い物まで食べて空腹に耐えたらしい…… この【海賊GAME】はリアルを追求する事に命を賭けている節がある。そのうち、私もそういう物を食べさせられるかもしれない……それが恐いのだ。 後、前の航海長スノラもいないと困る事がある。 それは釣りだ。彼がいないと魚をガンガン釣る者がいない。 最初に大きなウミガメを釣った時には驚かされたが、彼はあの後もいろいろな魚を釣った。 それをエールが調理する。毎日、美味い食事が食えた。 またスノラは、航海長としてはイマイチの部分もあったが、性格が良かった。 気のいいおっちゃんという感じである。船の上ではストレスの溜まった者同士、よく争いが起きたが、スノラが仲裁に入るとだいたいが収まるのだ。 まあ、まあ、まあ、どうしなすった?お二人さん……と話に入っていって、スノラが聞いているうちに争いが収まる。 これは助かる。彼の人徳だろう。 今の、ラグナは航海長としてあらゆる面で優れてはいるが、少し口うるさいところがあった。本人が優れているがゆえの事だろうが、ラグナに指示を受けると子分も少しピリピリしているように見受けられる。 別にそれをいけないとは言わないが、自由を愛する海賊像に少し合わないような気がする。 「カナエー、ご飯だぞー」 エッダリが呼ぶ。 やれやれ、また堅パンと干し肉だ。 私がそう思っていると見張りが叫ぶ!! 「左舷15度の方向に船を発見!!」 私は近くにいるラグナに言う。 「よし、獲物だ。ラグナさん、頼みますよ」
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