第7章 海賊で音楽家

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やはり航海長ラグナの操船の指示は素晴らしかった。 卓越した操船技術と指示で獲物の船に、どんどんとこちらの船を近づけていく。 私は相手の船の形がしっかりと視認出来るようになってから言う。 「第一部隊から第三部隊までは移乗攻撃の準備をして下さい」 今の第一部隊から第三部隊は、以前の落ちこぼれのおっさん達で構成された部隊とは破壊力が違う。 皆、元パウルの子分達なのだ。海千山千の強者ばかりである。 「第四部隊は接舷の準備をして下さい」 第四部隊は以前の生活に戻る事なく、残ってくれた落ちこぼれのおっさん達で構成されている。 そして第五部隊はほぼ非戦闘員で構成する予定だ。 航海長ラグナは、なかなか剣も使えるようだが有能な人材なので、この第五部隊に入ってもらった。前に出て死んでもらっては困るからだ。 私は最初は高みの見物をさせてもらうつもりである。 このメンバーであれば、どんな船が相手でもそうそう遅れを取ることは無いだろう。 こちらの船と、向こうの船が引っ掛けフックの届く距離に近づく。 すると!! 「おっー!!」 「うぉっー!!」 あちらの船から雄叫びが聞こえる。 こちらの船も、あちらの船もジョリー・ロジャーを掲げていないが、どちらも海賊だった訳だ。 こうなると船の接舷は早い。お互いに相手の船に乗り込みたいのだから、邪魔は入らない!! ガッシィーン!! 接舷の瞬間に船が大きく揺れる!!
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