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とりあえず、「ピース・オブ・エイト」を全て交換して、私は海賊力を「9」増やした。
そして、また、おっさん達の前に出る。
念の為にまだ「オーバー・ヒート」は発動していない。
見ると、あの可愛い少年は右腕から血をダラダラと流しながらこちらを睨みつけている。
もう、剣は握れないようだ。
助かった。これ以上は「海賊力」を無駄に出来ない。少年が戦闘不能になったのは幸運だった。
「どうしたっ!?ベルン!!掛かって行かねえか!!」
凶悪顏のパウルが叫ぶ。
大丈夫か?あの親父は?何を無理言っとるんだ?
悪いのは人相だけで無く、頭も悪いようだな。
少年は私を睨みつけたまま、動こうとはしない。それはそうだろう、剣を握れないのだ。素手で武器を持った人間に掛かって行く者はいな……
ドンッ!!
なにっ!?
「うぐぅっ!!」
あの親父、少年を撃ちやがった!?
「うっぁぁぁ……」
少年は甲板の上をゴロゴロと転がりながら、もがき苦しむ!!
駄目だ!これは致命傷だ!!しばらく甲板の上を転げ回った少年は痙攣を起こす……
……そして少年は動かなくなった。
く……くそっ!!なんてことだ!?
「ベルンさん!?」
「ベルンさん」
まわりの子分達もこれには慌てているようだ。
「使えねぇ奴は死ね」
親父は言う。
……無茶苦茶な親父だ。
「おら!お前たち!死にたくなければ、あいつを倒せ!」
パウルはそう言うと、私に銃を向けた。
まだ距離が遠いからか、直接撃ってきそうな雰囲気は無い。
まずいな。まだ周りには70人程の敵海賊がいる。
こいつらに死に物狂いで掛かってこられては、手の打ちようが無い。
今までは、いい勝負が出来たかもしれないが、おっさん達は……思った通りスタミナも無いようだ。
皆、ヘトヘトである。
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