第7章 海賊で音楽家

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私としては、相手が海賊の場合、敵船に乗り込むか、乗り込まれるのを待つかで迷う。 敵の船に乗り込むのはリスクがあるが乗り込まれれば、こちらの船がかなり破壊されるからだ。 むっ? 第一部隊の数人が勝手に敵船に乗り込んでしまった。 まずいな。やはり生粋の海賊だ。自由すぎる。 向こうの船とこちらの船では船の大きさがかなり違う。あちらの船の方が甲板が高い位置にあるのだ。 私のいる場所からは向こうの船の上が見えない。 こちらから向こうに乗り込んだ第一部隊の数人は、引っ掛けフックの紐をよじ登るようにして敵船に乗り込んで行ったのだ。 向こうの船から剣戟の音と、人の呻き声が聞こえてくる。 優勢なのか?劣勢なのか? どうする?第二部隊と第三部隊も突撃させるか? 私が考えていると、向こうの船から敵が大勢乗り込んでくる! 大胆だな。 「第二部隊と第三部隊は今飛び込んで来た者達を迎え撃って下さい」 キュッイーンッ!!ギンッ!! 船内を剣戟の音が響く!! 乗り込んで来た相手と、こちらの部隊は同じぐらいの人数である。しかし、こちらは徐々に押され始めた。 すると新たに相手の船から敵が乗り込んで来た! どういう事だ!? もう、向こうに乗り込んだ第一部隊の数人がやられたということか? 早すぎるだろう!? 乗り込んで来た敵海賊はニタニタと面白そうに笑っている。 ニタニタするな。馬鹿者。 新しく飛び込んで来た敵海賊は、こちらの第二部隊と第三部隊に飛び掛かってきた。 まずいな。 元々押され気味であった第二部隊と第三部隊は圧倒的不利へと追い込まれた。
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