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おっさん達は今まで、こんな殺すか殺されるかのような場面に出くわす事も無かっただろう。敵と比べると断然こちらの方が疲労が激しい。
ドゥッン!!
ドッンッ!!
「がぁぁぁーっ!!」
「うぁー!!」
なんとっ!!あの親父、また仲間を撃ちやがった!!
「おらっ!!お前たち!早くやらねえか?」
恐怖支配だ。死ぬのが嫌なら敵を倒せという訳か。
まずいな。周りの海賊共がジリジリと近寄ってきた。
おっさん達は疲れきっている。そして私はかなり体力を失っている。
とても、こんな大勢の海賊を相手には出来無い……
もう、あれしか無いな。
あれとは……
……パフォーマンスだ!
私はあまり好きでは無いが、私の会社の連中がよくやっている。
私は忙しいですよ~
私は会社の利益にかなり貢献していますよ~
私はキャプテンシー溢れてますよ~
という、ポーズ!アピール!パフォーマンスだ!!
そういうアピールが悪いとは言わない。ただ私が苦手というだけだ。
しかし、ここを乗り切る為には苦手な事にも挑戦せねばなるまい。
私は息を大きく吸い込む。
「おのれっ!!許せん!!」
そして勢いよく叫んだ!!
私の怒声に、敵の海賊よりも味方のおっさん達の方がびっくりする。
日頃、私が怒った所など見た事が無いからだろう。
「一対一で正々堂々と戦った、あの勇敢な少年を銃で撃つとはっ!?」
私は怒りの形相で悪人面の親父に剣を向ける。
「パウルッッ!!私はお前を許さんぞっっー!!」
周りはシーンとなっている。海賊とは言え、あんな少年を撃つのはおかしい。敵の海賊達もそう思っているのだろう。
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