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延々と私はパウルを攻撃するが、もちろん、致命傷は与えられない。
スマホの画面を確認しなくても分かる。私の感覚では海賊力は残り「3」程しか残っていないだろう。検証の時に減るスピードの感覚を掴んでおいたのだ。
打開策も見つからないまま、私はパウルを延々と攻撃し続けた。
んっ?
親父のスピードが落ちているような気がする?力も最初よりは弱いように思う。
……そういうことか。
親父に疲労が蓄積しているのだ。
「海賊力」が残っている間しか「オーバー・ヒート」が使えない、こちらの方が不利ではあるが逆にこちらは「海賊力」が残っている間は疲労を感じない。
おそらく、疲労は「体力(HP)」と「生命力(VIT)」の両方のステータスと関係があると思われる。
しかし「オーバー・ヒート」発動中はその両方が延々とMAXなのだ。
残りの私の「海賊力」は「2」か「3」程度。
……勝負をかけるなら今しか無い!!
私は、パウルに力強い一撃を与えて、大きく後ろに飛び退く!!
おそらく、かなりの疲労を感じていたパウルは、私が一度距離を取ったことで、内心喜んでいるはずだ。
「パウル!観念しろ!!お前に勝ち目は無いぞ!!」
ハッタリである。しかし、かなり疲労しているはずのパウルには、これが真実に聞こえるかもしれない。向こうから見れば私は全く疲れていないように見えるからだ。
「あの正々堂々と戦った勇気ある少年を、銃で撃ったことは許しがたい!しかし罪を悔いれば命だけは助けてやる!」
「……」
私としては早くパウルに行動して欲しい。私はこの間も「オーバー・ヒート」を解除せずに「海賊力」を消費しているのだ。なぜ「オーバー・ヒート」を解除しないのか?
それはパウルが奥の手を使ってきた時に対処する為だ。
「どうだ自分の卑怯さを悔いる気になったか?」
「……」
もちろん、パウルは滂沱の涙を流しながら天を仰ぎ見て、悔い改めたりはしない。
「……」
私としては、いったい何をしているのだ?お膳立ては整っている!早くしろと言いたい。
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