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「があぁっー!!」
「くっ!」
パウルの撃った銃の弾は私の頬をかすめた!!
そして私の撃った弾は……奴の右肩に直撃する!!
パウルは右肩を押さえて呻く。見苦しくのたうちまわったりはしない。
しかし、奴はもう戦闘不能だろう。
私は一歩、また一歩とパウルに近づいていく。
パウルは苦し紛れに言った。
「ガハハッ!!若いのに、たいしたもんだ」
「……」
「しかし、俺には勝てねぇ!!こちらにはまだこれだけの子分がいる」
そう言うと、パウルは周りの子分達を指差した。
「……」
確かに、周りを囲むパウルの子分達が一斉にかかってこれば、私はどうする事も出来ないだろう。私にはもう「海賊力」が「1」程しか残っていないはずだ。
「選べ!!俺の子分になるか!?死んで朽ちるか……どっちだっ!?」
私は少しずつ、パウルに近づく事を止めない。
周りのパウルの子分達もかなりの緊張状態だ。
「どうした?このパウル・ハウゼンの軍門に降るのか!?殺されてこの世を去るか……さあ、選べ!!若造!!」
私はパウルのすぐ近くに立つ。
右腕を負傷しているパウルは、剣を握ってはいるが、まともに構えられてはいなかった。
私は愛用のシャムシールを振り上げる!!
私の動作を見たパウルは慌てて自分の子分達に命令をした。
「お前達!!かかれ!!」
しかし、遅い!!
私は叫ぶ!!
「欲しいのは親分でも子分でも無い!!一緒に何かをやり遂げる為の仲間だ!!」
ズシャッー!!
私は剣を振り下ろし、海の悪魔パウル・ハウゼンを真っ二つにした!!
「があぁっー!!」
パウルは全身から血を流して……ゆっくりと前のめりに倒れる。
「……」
勝った……
海の悪魔と呼ばれる、パウル・ハウゼンに私は勝ったのだ。
……そしてたった今、「海賊力」が切れたようだ。
身体が重い。しかしかろうじて「体力(HP)」は残っているようである。ゲーム・オーバーにはならないみたいだ。
しかし、周りを囲むパウルの子分達70人が一斉に掛かって来れば、ひとたまりもないだろう……
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