第5章 パフォーマー

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「があぁっー!!」 「くっ!」 パウルの撃った銃の弾は私の頬をかすめた!! そして私の撃った弾は……奴の右肩に直撃する!! パウルは右肩を押さえて呻く。見苦しくのたうちまわったりはしない。 しかし、奴はもう戦闘不能だろう。 私は一歩、また一歩とパウルに近づいていく。 パウルは苦し紛れに言った。 「ガハハッ!!若いのに、たいしたもんだ」 「……」 「しかし、俺には勝てねぇ!!こちらにはまだこれだけの子分がいる」 そう言うと、パウルは周りの子分達を指差した。 「……」 確かに、周りを囲むパウルの子分達が一斉にかかってこれば、私はどうする事も出来ないだろう。私にはもう「海賊力」が「1」程しか残っていないはずだ。 「選べ!!俺の子分になるか!?死んで朽ちるか……どっちだっ!?」 私は少しずつ、パウルに近づく事を止めない。 周りのパウルの子分達もかなりの緊張状態だ。 「どうした?このパウル・ハウゼンの軍門に降るのか!?殺されてこの世を去るか……さあ、選べ!!若造!!」 私はパウルのすぐ近くに立つ。 右腕を負傷しているパウルは、剣を握ってはいるが、まともに構えられてはいなかった。 私は愛用のシャムシールを振り上げる!! 私の動作を見たパウルは慌てて自分の子分達に命令をした。 「お前達!!かかれ!!」 しかし、遅い!! 私は叫ぶ!! 「欲しいのは親分でも子分でも無い!!一緒に何かをやり遂げる為の仲間だ!!」 ズシャッー!! 私は剣を振り下ろし、海の悪魔パウル・ハウゼンを真っ二つにした!! 「があぁっー!!」 パウルは全身から血を流して……ゆっくりと前のめりに倒れる。 「……」 勝った…… 海の悪魔と呼ばれる、パウル・ハウゼンに私は勝ったのだ。 ……そしてたった今、「海賊力」が切れたようだ。 身体が重い。しかしかろうじて「体力(HP)」は残っているようである。ゲーム・オーバーにはならないみたいだ。 しかし、周りを囲むパウルの子分達70人が一斉に掛かって来れば、ひとたまりもないだろう……
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