第2話 虎の手と兎の足と

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「やっと姿を現したな。この煤野郎が!」 「グウォー!!」 「明、そっちの用意はいいか?」 「用意できてるよ」 「よし、今からそっちへ化け物を追い込むぞ!!」 「煤野郎!悔しかったらこっちへ来やがれ!」 強虎がこちらへと階段を駆け下りて来る音がした。 「よし、『小さい方』を『卯』を一番上に来るように置け」 「分かった」 「そしたら、次にアイツをその『小さい方』の中心に置くんだ!急げ」 「分かった」 僕は、まず、『大きい方』の真ん中に、『小さい方』を、『卯』が一番上に来るように置いた。 そして、懐から兎を取り出すと、それらの中心に置いた。 「強虎、準備出来たよ!」 「よし、来るぞ、化け物が!」 強虎は、干支陣へと飛び込んだ。 すると、今まで猫の姿だった強虎が、大きな虎の姿になった。 「こっちだ!煤野郎!!」 強虎の挑発に乗って、大きな黒い煤の塊の様な物が、彼に向かって襲いかかった。
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