第1話 猫と埴輪(はにわ)?と妖獣(あやかし)と

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日本・某県 遺跡発掘場近くの小学校 ある日、僕は、通学路の途中にある遺跡発掘場を何気なく覗いてみた。 いつもは人がたくさんいて、働いている様子なのだけど、今日は雨が降る予報だからか、発掘作業は中止らしく、誰もいないみたいだった。 僕「誰もいないみたいだし、ちょっとだけ入ってみよう」 そう思って入り、二、三歩歩いたら、ちょっと自分の方に土が崩れてきた。 よく見ると、崩れた土の中に埴輪のようなものが見えた。 「おい、坊主、そこで何してる。ここは立ち入り禁止だぞ!」 知らないおじさんに急に怒鳴られて、とっさにその埴輪?を拾い上げると、上着のポケットに突っ込んで、いちもくさんにそこから逃げ出した。 家へ帰ると二階の自分の部屋の机の引き出しに、埴輪?をしまうと、急いで下に降りてきた。 母「お帰り、遅かったのね」 僕「うん、ちょっとね。それより寧子(ねこ)の様子はどう?良くなった?」 母「うーん、相変わらずね。明日もこの様子だったら病院に連れて行こうかしら?」 僕「うん、わかった」 寧子というのは家で飼ってる猫の名前だ。猫に「ネコ」って名前は変だとは思うけど、お父さんが昔のエライ人?の秀吉さんの奥さんの名前にちなんで付けたらしい。僕も最初は変だと思ったけど、今では普通になっている。 僕は、寧子の様子を見に行った。寧子は何日か前からこんな感じだった。 僕は、心配して寧子の背中をなでた。 「早く良くなれ」と心で願って…。 晩御飯までまだ時間があったので、僕は、二階に上がり、引き出しの中の物を確かめに行った。 「ガラッ」 引き出しを開けて、それを取りだしてみた。 すると、そいつが突然しゃべりだした。 「初めまして…って、堅苦しい話は後だ。お前のとこに猫がいるだろ。そいつの命が危ない…」 僕「えっ?」
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