2人が本棚に入れています
本棚に追加
日本・某県 遺跡発掘場近くの小学校
ある日、僕は、通学路の途中にある遺跡発掘場を何気なく覗いてみた。
いつもは人がたくさんいて、働いている様子なのだけど、今日は雨が降る予報だからか、発掘作業は中止らしく、誰もいないみたいだった。
僕「誰もいないみたいだし、ちょっとだけ入ってみよう」
そう思って入り、二、三歩歩いたら、ちょっと自分の方に土が崩れてきた。
よく見ると、崩れた土の中に埴輪のようなものが見えた。
「おい、坊主、そこで何してる。ここは立ち入り禁止だぞ!」
知らないおじさんに急に怒鳴られて、とっさにその埴輪?を拾い上げると、上着のポケットに突っ込んで、いちもくさんにそこから逃げ出した。
家へ帰ると二階の自分の部屋の机の引き出しに、埴輪?をしまうと、急いで下に降りてきた。
母「お帰り、遅かったのね」
僕「うん、ちょっとね。それより寧子(ねこ)の様子はどう?良くなった?」
母「うーん、相変わらずね。明日もこの様子だったら病院に連れて行こうかしら?」
僕「うん、わかった」
寧子というのは家で飼ってる猫の名前だ。猫に「ネコ」って名前は変だとは思うけど、お父さんが昔のエライ人?の秀吉さんの奥さんの名前にちなんで付けたらしい。僕も最初は変だと思ったけど、今では普通になっている。
僕は、寧子の様子を見に行った。寧子は何日か前からこんな感じだった。
僕は、心配して寧子の背中をなでた。
「早く良くなれ」と心で願って…。
晩御飯までまだ時間があったので、僕は、二階に上がり、引き出しの中の物を確かめに行った。
「ガラッ」
引き出しを開けて、それを取りだしてみた。
すると、そいつが突然しゃべりだした。
「初めまして…って、堅苦しい話は後だ。お前のとこに猫がいるだろ。そいつの命が危ない…」
僕「えっ?」
最初のコメントを投稿しよう!