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どうしたの?と聞くと彼はびっくりして俺を見た。 年は高校生ぐらいだろうか。 「ここ何処…?」 彼は消え入りそうな声で聞く。 「僕の帰る場所何処…?」 帰る場所… そんなの俺にはわからない。 「名前は?」 「な、まえ…」 「俺、薮宏太。君は?」 「わからない…覚えて、ない…」 俯いてそう答える君。 記憶喪失ってものか? このままじゃ風邪をひいてしまう。 名前がわからなかったら家を探すこともできない。 「とりあえず俺んち来い。」 彼は一瞬戸惑った顔をしたが俺が背負うと体を預けてくれた。
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