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あの雨の日から3年
飼い主は何も変わらない
男を連れ込むアバズレぶりも
同居人の私にさえ名前をつけない執着のなさも
たまに『こんな思いするなら生れてきたくなかった』みたいな目をするところも……
それにくらべて私は変わった
例えば汚れていた白い毛は今となってはつやつやだし
触り心地も血統書付きに負けないくらいのものだ。
やせっぽっちだった体はまるまるとなり、さらに長い毛のおかげで大きく見える。しっぽはふわふわ、自慢のしっぽだ。
飼い主にじゃれつくときは爪をしまう
それは、君に初めて触れた時にすぐに覚えたこと
私がふれたら痛そうに手を引っ込めたから
トイレは砂のところで
虫を捕まえても君には見せない
嫌がるから
ベッドの上の息使いが荒くなり
節操のない飼い主は、態勢を変えて男の上に乗る
白い背中はやせっぽっちで
長くて黒い髪がしっぽのように二つの三角骨の間に流れる
そして、君はなんど他人に触れても爪のしまいかたを覚えない。
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