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一週間後。
年も明け、しばらく忙がしかった仕事もようやく落ち着きを取り戻し、いつもの休憩、いつもの喫煙室で一人タバコを吸っていると、陵が休憩にやってきた。
一週間前陵を抱いてから、ますます陵に対する気持ちが増し、同じ位独占欲も強くなる。
かなりヤバイかも…
今の俺…
自覚はあっても、この気持ちはもう止められない…
陵が俺に気付き喫煙室に入ってきた。
「晋也。お疲れ様です。」
「お疲れ。」
陵は俺の向かいに腰を下ろす。
…しっかりメイクもして、今日の服は体のライン出すぎじゃね~か?
一人心の中でブツブツボヤいていると…
俺のただならぬ視線を感じた陵が、
首を傾げる…
「…フッ!」
陵の反応にツボッた俺が思わず吹き出すと、
「ん?どうしたの?さっきから。」
「ん~?お前って面白いなって思って。」
「座ってるだけだよ?」
「…だな。」
そんなほのぼのとした空間に水を指す様に、鹿野が休憩室に入ってきた。
俺のイライラが沸点を超え、
みるみる険しくなる顔。
陵がそんな俺の変化に気付き、俺の視線の先を辿る…
「陵!見るな!」
さっきとは明らかに違う声のトーンで放つと、陵の顔が不安げに変化する。
「…どうしたの?何?」
「…鹿野が入ってきた。」
「……………」
「今から飯だろ?食べない分けに行かないから、行ってこい。ここから見とくから。」
「…うん。」
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