第3章

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一週間後、俺は新年会のため会場に向かった。 陵は今回は不参加。 さすがにあの忘年会のあとじゃ行きにくいしな… 忘年会の時は車で来ていたためお酒は飲まなかったが、今日は陵が車で迎えに来てくれるため遠慮なく飲める。 こ~いう場はさほど好きではないがお酒が存分に飲めるとなると話は別だ。 会場に着き、同僚や上司と料理を堪能しお酒を美味しく頂く。 最高の気分。 陵にもたまにはいい店連れて行ったげないとな… いつも居酒屋ばっかだし… こんな時も俺の思考から陵が消える事はない… 新年会も終盤に差し掛かり、 「立野今日は電車か?」 聞いてきたのは同期の藤井。 突っ込まれるかもしれないと予測していたことが案の定起こる。 「…イヤ、迎えが来る。」 隠すつもりはないので本当の事を言うと、 「…もしかして…彼女?いや~聞こうと思ってたんだけどなかなかタイミングが見つからなくてさ。あの子だろ?忘年会の時の…」 「…あ~、うん。隠してるつもりはなかったけど敢えて言う事でもないと思って…知ってたのか?」 「やっぱり知らないか。噂になってたぞ?忘年会以来…立野相手だと誰も聞けないよな…だから…彼女の方にわざわざ確認したやつもいるくらいだしな…」 あ~、前に陵が聞かれたってやつか… 「……ひまなヤツだな。わざわざ…」
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