25人が本棚に入れています
本棚に追加
外に出ると、駐車場の奥の方に陵の車。その更に奥に隠れる様に鹿野の車がある。
俺が車の所に行くまでに、俺に気付いた陵が車を飛び出して俺の所に駆け寄ってきた。
「晋也…」
陵が俺の胸に飛び込んで来て、ぎゅっと服を掴み、陵が恐怖を抱いていたことが直に伝わってくる。
「…陵、もう大丈夫だから。…中においで。」
陵の頭をポンポンと撫で軽く抱き締める。
店の中に入り、新年会の広間に行くまでの道中陵に確認をする。
「いつからいたんだ？鹿野は…」
「…分からない…あたしが着いた時にはもういてたと思う。…しばらくしてから気づいて…鹿野くんの車に…よく見たら中にいてずっとこっち見てて…」
「………分かった、俺がいるからもう大丈夫だから…」
陵に優しく微笑むと安堵した陵が微笑み返す。
「……あ～そうだ。酔っぱらいがいるけど、軽く交わしといたらいいから。陵の事聞かれて、呼べって言われてたとこだったんだよな。断ったんだけどな、この状況じゃこっちに連れて来る方が安全だしな。悪いヤツじゃないから。」
「うん、分かった。」
最初のコメントを投稿しよう！