第3章

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新年会の広間に行くと、終了間近という事もあり出来上がってる人達が多数。 晋也の後について席まで行くと、 「あっ!彼女登場~!」 あ~この人よく見かける。 「同期の藤井と副店長の田中さん。」 晋也が私に紹介する。 「お疲れさまです。福井です。」 愛想笑いで返すと、 「休憩の時よくいるよね~。へ~、立野がね~、またかわいらしい子捕まえたな。」 「やめろ、その言い方!」 藤井さんを嗜める晋也。 「ま~ま~、藤井の言いたい事はよく分かるしな。僻みじゃないのか?若い子だから。」 副店長が間に入るが、なんのフォローにもなってないな… ここ、と晋也が私に座る場所を指示しながら副店長に、 「田中さん、今日は全員出席してますか?」 晋也の聞きたい事を瞬時に察知し、 「あ~、出席してるって聞いた。」 「……そうですか。」 晋也は私にチラッと視線を合わせる。 じゃあ、鹿野くんは出席予定じゃないのに来てたって事なんだ… どんどん鹿野くんが怖くなり、つい俯き加減でいてると、 「どうかした?気分悪い?」 藤井さんに鋭く突っ込まれ。 「あっ、大丈夫です。」 再び愛想笑い。 「立野、彼女をこきつかうんじゃないぞ~。」 「つかってね~よ。」 「ほんとに大丈夫です!」 慌て否定し、晋也にも大丈夫と目配せをする。 晋也が軽く微笑むと、 「こら~目で会話するな~。」
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