第1章・一年後

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私たちは交互に東京と仙台を行き来していた。 今月私が東京へ行ったのなら翌月は樹が仙台に来る、といったパターンで。 私が東京へ行く場合は、水曜に仙台を出て夜は樹の部屋に泊まる。 翌日の木曜、樹は仕事に行くから私は夜まで時間を潰す。 そして、樹の仕事が終わったあと数時間だけ一緒に過ごし、夜行バスで仙台に戻ってそのまま出社した。 樹が仙台に来る場合は、土曜夜に着き私の部屋に泊まる。 夜だけ一緒に過ごし、翌朝私の出社と同時に樹は東京へ戻る。 樹は常に多忙だったため、私のように夜行バスで帰ってそのまま出社するのは、時間的にも体力的にも無理があった。 毎月慌しい逢瀬だったが、正月休みとゴールデンウィークは一週間ほど一緒に過ごせた。 そして今回のお盆休みは、約三ヶ月ぶりに二人でのんびり出来る貴重な時間。
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