プロローグ

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ばゃばゃばゃ。 時は深夜、急に降り出したゲリラ豪雨の中をオフィスビルからずぶ濡れで走り出す人影があった。 …… その一ヶ月後。 俺の名前は『蒼月 拓磨』。職業は小説家と言いたいが、出版社に投稿してもボツばかりだ。 以前、会社員をしていてアホらしくなって辞めた。 今日も自宅マンション下のピアノ喫茶『モーツァルト』で小説のプロットを考えている。 このピアノ喫茶モーツァルトは日中はクラッシックが流れていて、夜はピアノバーになる。 たまに日中に生ピアノの演奏もある。日中の喫茶は定年退職した元警察官『小笠原 良雄』、夜のバーはその孫娘『天道 明莉』で元銀座の一番人気だったホステス。 苗字が違うのは明莉の母が良雄の娘で結婚したからだ。
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