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「大人になった。やっぱり、女優は違うなー…」
半分、眠っているような目で私を見つめる義父は
酔っ払いのくせに、力は強く掴んだ私の腕を離さなかった。
「……………痛いから放して…」
"三井"という
義父の姓にならず、
母の旧姓の"青野"のままのわたし。
何となく嫌だった。
やっぱり
心のどこかで、―――拒絶していた。
「………なんで、お前は、おまえだけは、俺をバカにしているんだ?」
義父は、嫌悪感と微かな恐怖で強張った、私の顔を乱暴に掴んだ。
「父親と思えないか?」
「……!」
酒臭い息が私の顔にかかり
気持ち悪くて、私の顔を掴む手に、思い切り爪を立てた。
「いって!」
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