第9章 非常事態

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僕の耳元でフェイントをかけ 勢いよくマフラーを引き寄せたから 「あっ……」 ――大変だ。 本当にあっという間。 肌触りのよいカシミアは スルリと首筋を滑り落ちる。 瞬間。 僕を閉じ込めた錠を彩るブルーダイヤが 憎らしいほどきらめき鏡に反射した。
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