第一章 ゆかり
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第一章 ゆかり
今振り返ると1990年代は僕の青春だった。 高知の短大を卒業後、しばらく地元で働いていたが田舎の暮らしに飽き飽きした僕は名古屋に住む妹を頼り都会暮らしをはじめた。 かと言って四国から都会に出ても生活が劇的に変わる訳もなく妹のマンションから一駅先にある氷屋でバイトしながら先の見えない未来に対して悶々とした思いを抱えていた頃にひとりの女性と出会った。
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