第1夜 髪の毛

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ズリュ、ズリュ ナニカが、這ってる。 夢と同じように。 ズリュ、ズリュ 俺は金縛りに会ったように動けなかった。現実だ。これは夢じゃない。 ズリュ、ズリュ 腰を抜かして床に座り込む。 何でだ。何でこうなる? ズリュ、ズリュ そのナニカは、もう目の前まで来ていた。目が慣れてきたせいか、黒い物体は見える。 俺は動くようになった手で、ポケットから携帯を取り出す。そして、ライトで目の前を照らしてみた。 「うわぁぁぁぁぁ!!!!」 それは頭だった。髪の毛に覆われて顔は見えないが、長い長い髪の毛が目の前にあった。
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