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「おぉ、来たかお前たち。」
職員室には影沼1人。待っていたと言わんばかりの顔。
「何の話しか分かってるよなぁ?」
憎たらしいほどに唇を曲げて、話しかけてくる。
「ご、ごめんなさい!先生!私、全然勉強してなくて!みぃちゃんに見せてって頼んだんです。悪いのは私だけです!」
ヒナちゃんは私を庇っているが、私が共犯だとはっきり言っているようなものだ。
「そうか、森田。分かった分かった。今日はお前だけ注意して終わりにしよう。服部、お前は帰っていいぞ。」
え?
少し驚いた。あの最低な性格のこいつが、私を見逃すなんて。
何か企んでる。この男。
「分かりました。失礼します。」
とりあえず、ここは出ておこう。
教室から出た私は、窓から見える夕日を眺めながらヒナちゃんを待った。
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