♯ 1 マイノリティ学園

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   実は今、授業中。  期末テストは免除でも、授業は受けなきゃいけない。静先生の言った通り、授業は向こうより進んでる感じだった。それも、教科書で十ページ以上な感じ。  だから、聞いてても理解出来ずに眠くなる。  前から二番目窓際の席。  その場所で、授業中に寝る勇気は無い。だけど聞いてて分からないから、何となく窓の外を見てみる。景色でも見えたらって思ったけど、刑務所のような高い塀が見えるだけ。あとは、学校のグラウンドくらい。  グラウンドは、かなり広くて塀に囲まれている圧迫感は無いけどさ。 「あっ、あの時の彼だ」  高い塀に沿って、剣道着姿の今朝の彼が走ってる。今は授業中な筈だけど、走ってていいのかな。もしかして私を助けてくれた時も、グラウンドを走ってたのかな。  そんな走っている彼に、熱い視線を注いでるもう一人の男子に気がついた。 「あっちも、今朝見かけた彼だよね」
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