prologue

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   初めての転校。  私、江戸 色葉は、その初登校でドタバタに巻き込まれている真っ最中だったりする。ううん、ドタバタなんて気楽なものじゃない。  お気楽なのは、私の性格の方だったりする。  目の前には、ちょっと不潔感のするオジさん。その人が左手を押さえながら、怖い顔して私を睨んでる。  それから、私の右隣より少し前には剣道着姿の男子。彼は、竹刀を構えてオジさんを睨んでた。  細身で背が高く、短髪のイケメン。ぶっちゃけると、かなり私のタイプだったりする。一触即発みたいなオジさんと、イケメン男子の睨み合いの中。お気楽に、私は男子の顔をチェックしてたりする。 「痛ぇな、何をしやがるんだ」  オジさんは、昔のドラマでチンピラの使う安っぽいセリフを浴びせてくる。だけど不思議と、オジさんには似合ってたりした。  そう言えば、さっきオジさんは自分を週刊誌の記者だと名乗ってた。
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