prologue

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   その距離感が気持ち悪いし、見るからに怪しいオジさんだった。だから少し離れて、「時間なんて作りません」と言い返す。  でも、そんなんで引き下がってくれない。  ああだこうだと理由を付け、私に取材しようとしてくる。そのしつこさが、余計に気持ち悪くて思わず「オジさん、キモっ」って言っちゃった。  そしたら、オジさんがキレて私に手を伸ばしてくる。  私がそれを身を屈めて避けようとした時、目の端に一本の白い光の筋が振り下ろされるのが見えた。そこは大袈裟だったけど、オジさんの手を竹刀で叩いた人がいた。 「痛ぇな、お前。何、しやがるんだ」 「不法侵入者が、当校の生徒に手をあげていた。それを、救おうとしたまでの事」 「あぁ、何だそりゃ。大体、お前は何なんだよ」 「悪いが、不法侵入者に名乗る名など持ち合わせていない」  オジさんの古臭いセリフに対し、私を助けてくれた彼の時代劇風なセリフ。
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