prologue

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   助けてくれた彼に対して何だけど、君はサムライ? それとも、武士とか?  いやいや、どっちでも無くて自分で言ってたこの学園の生徒でしょ。そんな一人ボケツッコミを、頭の中で展開してた。そしたらオジさん記者は更に逆上して、こっちに向かってくる。 「いい加減にしとけよ、ガキがぁ」  こっちに殴りかかってきたオジさん記者は、次の瞬間私の目の前から消えた。ううん、そのくらいの勢い向こうへと吹っ飛んでいった。  私の前では、彼の腕から竹刀が真っ直ぐに突き出されている。  竹刀でノドかアゴを突いたの?  いくら竹刀だからって、防具を付けていない人のノドかアゴを突いたりしたら。大怪我くらいじゃ、済まされないんじゃないのかな。 「すっごい、痛そう……」  勿論、痛そうでも済まされないんだけど。お気楽な性格の私の口は、思わずそう言っちゃってた。  オジさん、ピクリとも動かないし。
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