prologue

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  「いや、別に礼を言われる程の事はしていないから」 「あの、じゃあ、名前だけでも教えてくれませんか?」 「別に、名乗る程の者じゃない」  やっぱり時代劇風な彼に、つられて私も時代劇風な対応で名前を聞いてた。流石に「せめて、お名前だけでも」とは言わなかったけど」  そう考えてる私を残し、彼は振り返り校舎の方へと進んでいく。  彼が向かっていく先には、心配そうな顔をした小柄な美少年が立っていた。きっと彼の事を心配し、校舎から出てきちゃったんだろうな。 「あっ、何か二人ってBLっぽい」  まさかそんな事がある筈ないと、彼の背中を見送った。すると、どこからともなく警備員の人が出てきて、倒れたオジさん記者を立ち上がらせて運んでいった。  どうやら、死んじゃって無かったみたい。  そして私は、出てきた先生方に保護されるみたいに、校舎へと連れて行かれた。      
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