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一歩、また一歩。 カチンコチンに緊張している父の横顔を、感慨深く見つめる親子でいられる最後の時間。 会場一杯の盛大な拍手と、目がくらむようなフラッシュ。 密やかに囁かれる羨望の声と、横目に通り過ぎていく友人たちの優しい笑顔。 踏みしめる歩幅が徐々に小さくなっていく中で顔を上げれば、照れくさそうに笑う彼が小さく頷いた。
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