操る男

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大人になって初めて人生が薔薇色のように輝いているように思えた 「そうだ……」 俺はアプリを開いて、上司の名前を入力した 「……これでよし」 俺は気晴らしにまた上司に命令を入力した 命令は、自分の口座から全額引き出して俺の家に届けてから帰宅すると入力した 家に帰ると、上司が扉の前に立っていた 一心不乱に郵便受けに札束を入れている 全て入れると、何事もなかったように歩きはじめた 「ご苦労様です」 俺は上司の肩をポンッと叩いて自分の部屋に入った 玄関には上司が入れた札束が転がっている 「ハハハッ、アイツどんだけ貯金してたんだよ」 札束を並べて数えてみると、全額で1200万円あった 老後に備えて貯金していたんだろうが、俺が大切に使ってあげるとしよう
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