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一花
花鳥風月時告ぐり
小春日を
短く切って飛ぶ雛鳥に
嶺山の遠く
日を飲み込む様に
ひなげしに遊ぶ
ハナムグリに
あなたはこの丘で
この場所で
愛を語り続けた
真白に染まる
その身が尽きても――
空が千切れ落ち
零度の身体を染め抜いた
六花 十ニ花
空から降る花
袖を取られて挫いた足に
芯まで濡れたその指先に
色付いた花の名前
その名を愛しげに呼ぶ声が
巡り来るたび聞きたくて
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