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二花
私は目を瞑る
いっそ眠りの底へと
乞い願う
神木と崇め奉られるとも
宿した筈の魂は
枝を合わせ
心を合わせた
あなた無しでは
空虚なまでに
ただ散りゆく時を待つ定め
否
果たして現だろうか
掠めたのは
真白
痛みの先に薫る
彼の人の真白
掠れる五感に冴えゆくは
六花 十ニ花
生まれたての
薄く歯痒い
濡れた衣を震わせて
あなたは
わたしという息吹を得て
今や遅しと
染め渡る
今ひとたびの
ふたつ色
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