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鼻水を垂らして泣いている又二郎。
又二郎「そうか、明日香は死んでしもうたか、つらかったのぅ、でもよう帰ってきた」
清春「ええ」
又二郎、鼻水を拭き。
又二郎「すぐにでも飲み交わしたとこやけどのう、今は取り込み中でな」
又二郎、作次郎を睨みつける。
清春「じつはそのことでお話に来たんです」
キョトンとする又二郎。
清春「実は私いまこういう会社をやってまして」
清春、名刺を差し出す。
又二郎、名刺を見て、
又二郎「なにぃ、メモリーランドデベロップメント代表取締役社長?」
清春「ええ」
又二郎、作次郎を見る。
したり顔の作次郎。
○西の村 全景 (夜)
普通の田舎の家々が並ぶ村。
神社の鳥居が見える。
○同 神社 境内 (夜)
境内に座って酒を飲む作次郎。
スマホをいじる安藤。
作次郎「いやぁ、傑作傑作、まさか実の息子が敵側の人間とは思わなかっただろうな」
清春「でも、頭が固いのは変わりませんねウチの父。あの調子だと納得してもらうのは難しいですね。東西の土地が必要なのですが」
作次郎「困ったなぁ」
清春「では、あの話をするしかないようですね、ねぇ、西のおばば」
境内の奥から歩いてくる西のおばば(99)。
西のおばば「そのようじゃのう」
○東の村 民家 居間 (夜)
いろりを挟み座る又二郎と東のおばば。
東のおばば「東と西の村には、それぞれの祠に宝玉が祀られておってな」
○西の村 神社 境内 (夜)
座って話をする清春、作次郎、西のおばば。
西のおばば「その2つの宝玉をあわせ持つ村が東西の村を統べる、という言い伝えがあるんじゃ」
作次郎「そんなの迷信だろ」
清春「でも、他にあの父を説得する方法がありますか?神にもすがりましょう」
作次郎「むむ」
○東の村 民家 居間 (夜)
又二郎「なんじゃ、そんな方法があったんか、なんでそれをもっと早う言わんのじゃ」
東のおばば、お茶をすする。
又二郎「明日香はよっぽどこの村とワシを恨んどったか、清春め、ワシに復讐しにきたんじゃ、返り討ちにしてやる」
立ち上がり家を出る又二郎。
ニコニコしている東のおばば。
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