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全部忘れてはならない。
全部忘れたら、きっと今の生活に意味を感じなくなるから。
だから今はこの目の前の弁当にありつけるだけ、ありがたく感じて…
いただきま「ピーンポーン」
鳴ったことのない、インターホンがなった。
「トントントントントントン」
ドアを軽く叩く音。
「誰か、いませんか?」
透き通った、艶のある声。
分かったよ、出るよ
何時だと思ってんだ…
時計はもう22時をさしているというのに、随分迷惑な客人だ。
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