やはり働いたら負けだと思っている

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それにしてもだ、このタイミングでの来客とは、なんだか嫌な予感がプンプンする。 普段から来客とは無縁の俺だ、昔の友達が来たとか、可愛い幼馴染が来たとかではないだろう。 この嫌な予感が当たって欲しくないが、来客を待たせるわけにもいかない。渋々ではあるが俺は一階に降りて玄関へと向かう。 「緑青祐介様でしょうか」 「はい、私ですが」 なんとも素晴らしいパンツスーツの女性がいた。セミロングの黒髪に、きりりとした目は「私仕事が恋人なの」とか言い出しそうなくらいには仕事ができそうだった。 「初めまして、私、頭取恵理(とうどりえり)と申します」 そう名乗る頭取さんは、スーツの内側のポケットから、小銭入れのようなものを取り出したかと思うと、そこから一枚の紙をこちらに渡してきた。 「株式会社ラストホープ人事部部長兼、ヒーロー科戦略司令室室長」 ら、ラストホープってなんだよ、最後の希望なのかよ、どんだけ世の中荒んでるんだよ、まるで世紀末じゃねぇか。なんでこんな社名にしちゃったの?世の中に喧嘩売ってるの?
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