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清々しい朝だ。鳥は囀っていて、朝焼けのにおいがすこしのこっている。風は無いものの過ごしやすい気温だ。
俺がこんな時間に起きる日が来るなんて、誰が想像しただろうか。いや就職したときはこれくらいに起きてたんだけどさ。
「あんたがまた働いてくれるなんてよかったよ、インターネット代はよろしくね」
なんて上機嫌な母が、朝食を持ってきながら、にこやかな笑顔でそう言ってくれる。なんて優しい世界なんだ。
あーあ、仕事場にミサイル落ちないかなぁ……
何を隠そう、今日は俺の初出勤の日なのだ。なぜだ、なぜなのだ?俺はあの時確かに不採用を確信したはずだったのに。なぜこうなった。
いや、すべてはあの女、頭取絵里とかいう奴が悪いのだ。具体的に言えば形の整ったおっぱいが悪い。いつか揉みしだいてやるからな。辞めるまでに一回は揉みしだいてやるからな。覚悟しとけ頭取絵里。
といった憤りの塊を、ホカホカの白米と一緒に呑みくだす。あと2時間後には働いてるのかと思うと、憂鬱で仕方が無い。
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