File.1 能力の意味

15/103
前へ
/103ページ
次へ
「なかに入り。めっちゃ嫌やけど、せっかくお客さんきはったし、なんかアンタ視えるみたいやし」 「嫌なら僕は――」 「ああ、ごめん。嫌なんはこれから連絡する相手がや。アンタやない」 彼女はそう言って携帯を出すと、すぐに繋がったのか、不機嫌な顔で話はじめた。 「ああ、アタシ。――もう、それは嫌やって何回も言うてるやろ。そんなんちゃうねん、おじいちゃんのな……あ、そうや」 早口で喧嘩腰で話していた彼女が、突然僕の方を向いた 「で、どこなん?どこ探したらええん」 「――話が見えません」 「妹さんの遺体や」 え、そんなのわかるわけ―― 「場所はわからんなぁ、まだ子供やさかい。覚えとる場所とか、なんかわからんか?」 おじいさんが少女にそう声をかけると、少女は俯いたまま顔を左右に振った。 展開が早すぎてついて行けない。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2595人が本棚に入れています
本棚に追加