2595人が本棚に入れています
本棚に追加
「お茶いれてくるわ」
勢いを失った梨花さんが奥の台所へと消えて行った。
クロは僕の隣でちょこんと座っている。
家は少し遠い場所にあるのにここまでお迎えに来たのか。
「どうやるんですか?この先」
「そやなあ、この子がどうしたいかやな」
浮遊しているおじいさんが腕を組んで、唸るように首を傾げた。
「みのりちゃんはどうしたいの?」
僕がそう問いかけると、みのりちゃんはじっとクロを見て、ツンツン、とクロの耳をつついた。
ピコん、とクロの耳が跳ねる。
最初のコメントを投稿しよう!