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僕の右目は、――義眼だ。
僕はそれを隠すように、前髪の長いヘアスタイルにカットしている。
それだけじゃない。
僕はその右目が開かないように、縫い付けている。
「なんなん、その――」
そして途端、空に雲が覆って、僕たちを包み込むように辺りに影をおとした。
「お願いします、妹を探してください」
僕たちのやり取りを無視して、悲しそうな顔で依頼人らしき人が間をわって切実そうに入ってきた。
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