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異世界に行ってきます。逝ってらっしゃい
条件は何でもいい、と白い人は言うので私は困った。転生先は白い人が決めるらしいんだけど、異世界って言うから下手な条件は付けられない。
どうしたらいい? と訊いても、好きにするといい、と全く宛にならない答えしか返ってこなくてイラッとした。
今日の晩御飯何がいい? 何でもいい。と切り返されることと同じ位イラッとする。
「本当に何でもいいよ。容姿とかどう? 美人になりたいとか、獣人になりたいとか、人外とか面白いと思うよ?」
「獣人に人外…………二本足以外の生き物にはなりたくないかな」
「それが最初の条件?」
美人になりたいとも思わなくないが、変なものには絶対なりたくない。何が面白くて人外にならなければいけないんだ、勘弁してほしい。
だから素直に頷いた。
そして次に、自分の身は自分で守るという鉄則が、転生する異世界でどこまで通用するかわからないので、自分が守られる存在であるということをお願いした。
またうっかり誰かさんに殺されたくないし、今度は天寿を全うしたい。
そして最後。
「来世で死んだら貴方がまた私と会うこと」
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