第1章 『犬も歩けば棒に当たる』

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 おかしな事が続いた。  三日前にたまたま食べた棒状のアイスが、『もう1本当たり』だった事が始まりだった。  2ヶ月前にフラれた"はず"の彼女から、復縁を求める電話があった…。  仕事でミスしたが、相手先がさらに大きなミスをしてオレのそれはうやむやになった…。 休みに車でドライブに行ったら、途中でエンスト。 だが、それは偶然にも自動車修理店の目の前だった…。  そして今日、たまたま買ったスクラッチくじで、100万円当選…。  どうかしている。  何でこんなに"運"が良いんだ。まるで他人が自分の為に動いているような…。  そして、いつもその傍らには愛犬の"サブロー"がいた。  元彼女からの復縁電話の時は足元に。  仕事でミスして、自宅で落ち込んでいた時、クライアントから「こちらでも大変な事態が…」と連絡があった。その時もサブローは尻尾を振ってオレの足元にいた…。  ドライブの時、助手席にはたまたま連れてきたサブローがいた…。  まさか…。  そう言えば、2ヶ月前。コイツ、突然いなくなったな。 一週間して戻ってきたが…。
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