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「君の顔を見ていれば何を言おうとしているのか位わかるさ。予備は1枚しかない。用意しておかない自分が悪いだろう?アークだって自前のマントを使っているじゃないか。まぁ我慢する事だね。」
「だってよ…ここまで寒いとは思って無かったんだよなぁ…まぁ、わかってたとしても買えねぇよ……」
「……おしゃべりはそこまでだな。前線をすり抜けて来たらしい奴らが見えてきたぞ。」
カールにあしらわれ、プルプルと寒さに震えるフィルにフレッドから声が掛けられた。
ジュリー達六番隊は勿論のこと、アークとカールも既に遠巻きに僅かに見える土埃を見つめていた。
「前線をすり抜けたって…もう決壊しちまったって事なのか……?」
「アホ、そんな訳無いだろう。いくらなんでもウチから送りこんでる戦力を考えれば、現時点で前線が崩壊してるなんて事はありえん…迂回してきた遊撃辺りと考えるのが妥当だろうな。」
「それにしちゃちょっと数多くないですかね…俺らだけで大丈夫っすか……?」
「お?何?お前等あんだけデカイ口きいといて怖気づいたのか?
俺らも甘く見られたもんだねぇ…六番隊だけじゃあの程度の数を抑えられないとでも思ってんのか?まぁ、初めての戦場だもんな。ブルっちまうのも仕方ねぇか…まぁいいや。最初だけだかんな。次交戦する時までにそのチキンハートを何とかしとけよ。」
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