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「田沼、実は…」
俺は今朝からの経緯を説明し境内を探す許可をお願いした。
快く快諾してくれ、
着替えたら手伝うと申し出てくれた。
正直巻き込んで良いものか
悩んだけれど
田沼の優しさに甘える事にした。
この辺りは夏でも木陰が多く
心地よい風が吹いてくる
俺達は並んで歩き
境内に着くと寺の中に通された。
いつ来ても優しい雰囲気の空間で
田沼の祖父である住職と
同じ空気を纏っている場所だ。
田沼を待つ間もう一度白猫の辿った道を確認していた。
祠→境内→池→東の森→境内→祠
間違いがなければ
この道順の何処かに落ちているはずだ
シャワーを浴び着替えてきた田沼は
「夏目、その白猫が入口の祠に住んでるのかい?」
「そう言っているけど妖だから人目には…」
あっ…あれ?!
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