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「あの…夏目様?怖いお顔でどうされました?」
「あぁ…気にしないでくれていいよ」
白猫は上目遣いに俺を見て聞いてきた
「ところで…その布団の上に転がっている三毛…三毛…豚?アレはなんですか?見たところ妖のようでもありますが、もしや夏目様のペットですか?」
三毛豚って…
「あ…アレはペットではなく俺の用心棒なんだ。それに…三毛豚じゃなく一応三毛猫なんだけど…」
夏目は笑いを噛み殺しながら寝ているニャンコ先生を指さした。
「また何と面妖な…」
驚く白猫が面白くて
「あはははははっ」
我慢しきれずつい笑い声を上げてしまった
すると三毛豚…もといニャンコ先生が
「夏目…朝から五月蝿いのぉ…起きたならおめざに七辻屋の饅頭でも持って来い」?
バシッ!
「痛い!何をするのだ夏目!」
僕に叩かれた尻を擦りながら用心棒は目覚めた。
「んっ?また変な輩を連れ込んで厄介事に首を突っ込んているんじゃあるまいな?」
?結界をすり抜けやってきた猫を見て、
まるで俺が連れてきたみたいな言い方をしてきた
「ニャンコ先生の結界がヘナチョコだから次から次に妖がやってくるんじゃないか!」
「何だとー!こんな輩ぐらいいくらナチョコの夏目でも追い払えると思って相手にしないだけだ!早く出してしまえ!ヘナチョコ夏目!」
「お待ち下さい!夏目様!立派な用心棒の三毛豚様!私の話を聞いて下さい。」
白猫はシレッと失礼な事を言ったがニャンコ先生は
立派な用心棒という言葉に気を取られ気づかなかったのか
さっきまでの発言を即撤回して
「猫の癖に分かっているではないか、夏目、話くらい聞いてやれ」
聞こえてなくて良かった。
もし聞こえてたら白猫は一瞬にしてニャンコ先生に喰われていたかも知れない。
その時階下から
「貴志君?起きてるの?朝ごはん出来てるから顔を洗って降りてらっしゃい」
僕等のドタバタが聞こえたらしく塔子さんが声を掛けてきた。
「はい。今行きます。」
僕は襖を開け返事をすると
「話は後で聞くから少し大人しく待っててくれ」
白猫にそう言い聞かせて急いで下に向かった。
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