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「まっニャンコ先生も落ち着いて…後で七辻屋の饅頭を買ってあげるから」
「5つだぞ!最低5つだ!」
「分かった!分かった!」
今にも変化してしまいそうなニャンコ先生を饅頭で釣り
その場は何とか納め白猫に話を聞く事にした。
「実は私…師匠と同じ様に人間に飼われておりまして…」
「同じではない!ワシはペットじゃなく用心棒だ!」
「ニャンコ先生は黙って。」
「ぐぅー!」
「それで?何か探しものって言っていたけど…」
「そうなんです。私の首にある鈴のついたリボンにはもう一つ付いていた物があったのです。私を飼っていた人間が付けてくれた名前が書かれたコインです」
「迷子札か…」
「飼い主が何かあった時の為にと首のリボンと一緒にくれたモノです」
「それでキミは何故飼い主の所じゃなく俺の所に来たんだい?」
白猫は目を瞑り
「……飼い主は…先月亡くなりました。」
「…そっか。ごめんよ。」
「大丈夫です夏目様。私とて分かっているんです、人間とは流れる時の長さが違う事を、飼われた当初から別れが待っているのをちゃんと分かって人間の傍にいたんです。」
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