恋にしたたか、超能力者

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「好きだ。付き合ってくれ」 学校の屋上。放課後に青空の下で、俺はキヨミに告白した。 キヨミはオレのクラスメイトで、美しい黒髪に、整った顔立ち、抜群のスタイルを持つ、クールビューティーだ。 一目ぼれをしてしまった俺は、1年生の頃からアピールを繰り返し、世間話程度はする仲にはなれてはいた。 だが、学生の時間は短いんだ。 ずるずる今の関係を引きずっても仕方がないと、告白することにした。 この2週間、キヨミの好みになれるよう、努力したはずだ。その成果は……? 「ごめんなさい、フジくんとは付き合えないわ」 あっさり玉砕。 「な、なんで? 俺にどこが駄目だった……?」 ここで終わるわけにいかないと、食い下がる。 前回は、もう少し運動をする人で。前々回は、もう少し明るい人だったか。 「その、そうね。……もう少し、落ち着いた人が好きなの」 そう来たか。 またやり直しだ。 まあ、いいさ。何度でもやり直せるんだから。 至らぬところを聞きだせたところで、俺は時間を巻き戻した。
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