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「先輩どうしたんですか? ぼーっとして」
「あ、悪い。考え事してた」
俺に話しかけてきたのは、後輩のクルリ。
ショートカットにかわいらしい顔立ち、スレンダーな体躯と、全体的に活発な印象を受ける女の子だ。
クルリは家が近所ということもあって昔から親しく、こうして一緒に昼食をとる仲だ。
そうだ、いままで一人で理想週間をしていたが、クルリに手伝ってもらおうか?
フラれた事実が残っていないとはいえ、もう3回連続でフラれているわけだしな、そろそろ他人の助けを借りてもいいころかもしれない。
「なあクルリ。男にぐっと惹かれることって、どんなことがある?」
「え!? な、なんですか急に!?」
クルリがわかりやすく慌てる。
そんなクルリに小声で言った。
「いや、俺さ、同じクラスのキヨミのことが気になってるんだよ。ちょっと、協力してくれないか?」
クルリは信用できるやつだ、だからこそこんなことでも頼める。
「え? そ、え?」
クルリが事実を処理しきれていないと言わんばかりに、言葉に詰まった。
いや、そこまで動揺することじゃないだろ。
「えっと、その」
「嫌なら協力してくれなくてもいいんだぞ?」
無理やりつき合わせるのは悪いしな。
「え!? いえ、違います! 協力します!」
「センキュ。助かる」
そうして、クルリ全面協力のもと、キヨミの理想の男子を目指して、努力とキヨミへのアピールを繰り返した。
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