雨音と声

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俺は音のする方へただ走りだした。 なんでこんなに必死になってんの。でも、わからないけどみつけなきゃいけない気がする。 公園? 広い公園は雨が降っているから人気もない。俺は迷わず中に進んで行った。 ♪~… …いた。 雨が降ってるのに傘もささずただ夜空を見上げて唄ってる小さな彼女。俺がここにいるのも気がついてないだろう。 その歌声は悲しみに満ち溢れていた。雨音にかき消されそうな歌声は俺の心を捉えてはなさない。 「♪~…雨に濡れた女性を見るのが趣味なの?crownの悠って不思議な趣味をもってるのね。」 俺に気がついたのか彼女は歌うのをやめて話かけてきた。 肩辺りまでのストレートヘア。儚くて消えてしまいそうなのにその瞳はとても意志の強い印象だった。やばい、歌声が気になって後先考えず探したけど彼女一般人だよな?まずいよな…どうするか。 「たまたま通りがかったら聞こえたから気になって止まってただけだし、そんな変な趣味じゃない。ってか雨の中唄ってるあんたこそ…」 「「悠!」」 2人が追いついた。
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