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放課後、私はいつも通りに瑛心と帰っていた。
「陽奈子はじゅーーぶん、素直だと思うけど?」
ため息をついていた私に、真面目な顔で言ってくれた、一知花の言葉。
「気づかない鈍感な都田が悪いんだから」
確かに、アプローチはしてきたつもりだったけど。
それでも私は…………
まだ、瑛心に好きって、言えてない。
言わなきゃ伝わらない相手だって、分かってるのに言えない。
「……恋愛経験豊富って、言ってたよな?」
「えっ!?」
ぼーっとしていたからか、前文を聞き取ることが出来てなくて…
用件だけが、私の耳へとダイレクトに飛び込んできた。
もう、動揺するしかない。
「い、言ったね…そういえば」
から笑いしながら言うと、瑛心はゆっくりと足を止めて、私の方へと顔を向けた。
自然と、私の足のペースも落ちる。
「教えろよ、俺に」
……え?
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